感想っぽいもの

作品の感想などをつらつらと書いてます
 ここでの感想は激しくネタばれを含みます
未プレイの方は見ないことをオススメしておきます

評価方法

評価は、シナリオ ・ CG(原画含) ・ キャラクター ・ システム ・ 構成
以上の5分野と5つの平均からの総合の計6つの評価になります。
評価の最高は100点となります。

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シナリオCG・原画キャラクターシステム構成総合
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シナリオ
シナリオ全般


 まずは一言。え、何この展開っというとことから言わざるを得ないでしょう。永遠のアセリアの続編ということでSLGはもちろんシナリオもかなり期待していたのですが、続編というにはあまりにも中途半端な気がしました。前作のユーザを引き込み、さらに今作からのユーザを集めるような出来にしたかったと思うけど、結局どちらも中途半端でした。主に私が言いたかったのはこのことなんですが、アセリアから踏まえた矛盾点や聖なるかな独自の不明な点などを挙げてきたいともいます。
●永遠神剣第一位の存在について
 やはりこのことから挙げないといけないでしょう。そもそもアセリアの後半においてメインになってくるのが、エターナルと呼ばれる永遠存在の者達の戦いです。彼らの目的は砕けてしまった第一位神剣の復活で、そこでカオスエターナルとロウエターナルの2つの集団が争っています。そこでふと疑問。一位の神剣ってそんなにあるの?ってことです。全ての神剣は一位の神剣から分かれたもの、という設定は生きていて、ナルカナが黎明とかをを出したりしてましたが、なにより一位が何本も存在してる時点で疑問を感じます。アセリアをプレイした段階では明らかに一位神剣は一本という印象を受けたのですが、どうやら少なくとも3〜4本は存在しているみたいで。なんかもう話を大きくしすぎという感じがします。


●ユーフォリアの存在について
 このことも設定を捻じ曲げている原因の一つです。続編だから前作に縁のあるキャラクターを出せばいい。そんな安易な考えから生まれた産物ともいえるでしょう(辛口ですいません)。そもそも、エターナルは簡単に言えば不老不死。アセリアでのアセリアEPでも、出産はおろか成長もしていると前代未聞だ的な記述がありました。しかし、成長スピードはかなり遅く、幼女ユーフォリアが初出したときは生まれてから200年?くらい経っていたはずで、写しの世界でカオリやコトリたちと会うことありえません。まあ私個人は、時間の流が違うんだと強引に納得して話を進めていたわけですが。レーメがカオリに反応したのはおそらく、「求め」の欠片に反応したのだろうし、そうなると彼女(妹)はファンタスマゴリアから帰還した後となります。この時点でユーフォリアと同列の時間にいることは不可能となります。
 時間樹という檻の設定がどこまで及んでいるのかは知りませんが、単に時間の流れが違うと一言で片付けられる問題ではないと私は思います。


●エターナル、赦しのイャガの存在について
 上2つの話題と似たところもありますが、彼女の存在も意味不明です。別に登場しなくても問題はなく、ルートによっては戦闘にもなりません。なんかもう、最後はエターナル出せばいいんじゃない?的な安易な考えがひしひしと伝わってきます。時間樹を管理しているのがエターナルなのは別に構いませんが、外部存在を出してしまったことでごちゃごちゃになってしまいました。おそらくは外宇宙で行われているエターナルの争いを示唆するための布石なのでしょうが、あまりにも強引な登場で、その動機も時間樹を占領するためとかではなく、イャガの欲が生んだものでした。次回作につなげるくらい話を大きくするのなら明確な目的を持ったエターナルを登場させるべきだったと私は思います。結局ユーフォリアの目的も明らかになりませんでしたしね。なんとなく想像は出来ますが。
 そもそも今回はエターナル弱すぎです(ナルカナルート以外)。前作では味方エターナル3人がかりで敵集団に対抗していたのに、今回はルートによっては真っ当なエターナルは登場しません。普通に考えたら「激烈」や「絶対」にも勝つことは難しいはずです。なのに簡単に勝ててしまうので、エターナルとの戦いが下位神剣でも何とかできる。というイメージを植えつけかねないものとなっています。五位や六位がいくら束になろうともシナリオ的にはまず、エターナルには勝てないでしょう。まあゲーム上ではレベルを上げれば勝てますが、シナリオ上では力の差を示し、それを考慮に入れて人物を登場させる、あるいはそれに準ずる設定にすべきでした。いくら時間樹の法則で力が制限されるといってもナルカナルートでのエト・カ・リファの設定上の強さ。あのくらいが普通なわけです。そう考えると本作はナルカナルートに救われているといっても過言ではありません。
 時間樹の力の制限についてもあやふやで、時深は2本の神剣を使って普通に戦っていました。それに、イャガをきちんと認識していたのでユーフォリアのように記憶に制限があるわけでもないようです。結果、この制限どこまで効果があるのか疑問ではあります。


●物語を通しての全体的な説明不足
 上に挙げた時深のこともそうですが、今回は説明不足な点が多く目立ちます。中でも際立っていたのが、個別ルートに入り、11章で入手する専用技の説明文です。今までシナリオでは全然触れていなかったのに、いきなり事実を突きつけられ、プレイヤーは完全に置いてけぼりを食らいます。沙月はいきなり覚醒したことになってるし、ルプトナは作られた存在だとここで初めて言われるなど、一人歩きもいいところです。エターナルについても同様で、ほとんど説明もなく、聖なるかなからプレイした人は理解に苦しむでしょう。物語の主軸となっていた前世とのかかわりについても、詳しくは触れられていないように思いました。個人的には、各ヒロインの前世にもう少し触れてほしかったです。沙月が破壊神の姉神だったとかを知ったのはゲームではなく雑誌で、このことは作品では語られませんでしたし。名前は出てきたんですけどね…。その辺のかかわりはもっとほしかったです。エターナルの部分においてはアセリアをしていないと理解できない部分も多々あると思います。本当に、この辺りはもう少し丁寧に作ってほしかったです。


●総括
 改めて考えてみても、最初に述べたように何この展開という気持ちが一番合うと思います。まあ今までは辛口にいろいろと述べてきましたが、いい点もあったりします。ナルカナルートではそれなりに新しい情報があり、次回作を匂わせるような展開でした。私はこういうのは嫌いではありません。それでも全体的な消化不良があまりにもひどいのでこの点数となりました。


●次回作のポイント
 やはり次回作のポイントとなるのは、他の一位神剣とユーフォリアの存在でしょう。なぜユーフォリアがロウエターナル側に行ったのか気になるところではあります。しかし、上でも挙げたように一位神剣が3本も4本も出てきても全然面白くありません。こういう展開になったら、せっかくアセリアで上位の二位神剣と契約したユウト(前作主人公)が浮かばれません;。最終的には一位同士の戦いとなるのでしょうが、どのようにバランスをとって行くのかが次回作の見所でしょうか。


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CG ・ 原画
主にキャラデザインや背景とかのCGを評価


●キャラデザ面
 今回からはメインがまさはる氏ということでキャラデザ面においては格段の進歩が見られます。前作の評価が下がった要因の一つにキャラクターの独特さが挙げられていましたが、今回はそれは少なく、むしろ前作とのギャップで高評価につながるでしょう。実際私も、まさはる氏の絵はフローラリア時代から好きだったので満足でした。気になった点としては、Hシーンの時キャラクターによっては乳首の絵がちょっとやりすぎだと感じるところがったのでちょっとマイナスです(あくまで私見です)。


●その他のCG
 フィールドなどはよく見かける3Dマップですが、不自然にカクカクしてるところもなくよかったと思います。ログ領域内部の表現もよかったと思います。


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キャラクター
キャラの性格や配置、キャスティング、脇役の使い方など


●性格やキャスティングについて
 キャラクターの性格などもよかったと思います。特にナルカナは個人的にはツボでした。当初抱いていたイメージと全く違ったので驚きましたが、そのギャップがよかったです。キャスティングについてですが、ここからは私の勝手なイメージとなります。キャスティングにおいて一番気になったのが、希美役での青山ゆかりさんです。青山ゆかりさんは、私の中では完璧にツンデレキャラの位置にあり、そうでなくとも元気、あるいは活発なキャラクターというイメージで固まっています。今回のように割とおとなしい性格のキャラを演じられるとかなり違和感があります。それは聖なるかなに限らず、おとなしい性格を演じている作品全てに該当しています。この部分に関して、私個人は別のキャスティングもあったんじゃないかと思いました。ということでその分気持ちだけ減点しちゃいました。


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システム
作品のシステム面(ゲーム内特殊効果や操作性)を評価

 聖なるかなのメインとも言えるSLG。その出来はかなりよかったです。前作の基本的な要素は引き継ぎつつも、新しいものも組み込み、結果、前作よりも面白くなったと感じました。音楽もよく、ルートによっては聞ける、アセリアなるかなバージョンなどは、聞き応えがありました。少々減点した理由としては、SHではボスが一撃で倒せてしまうこと、前作よりはましになりましたが戦闘にランダム性が少ないこと、前作の売りだったシナリオスキップがなくなったこと。などの関係で少し減点しました。


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構成
作品全体を通してのバランスを評価

 SLGのできは文句なしといってもいいですが、シナリオが足を引っ張った分、無理矢理な内容になってしまい、全体的に見るとしまりがないように思います。物語の中でキーとなる存在は登場していますが、説明不足やもともとの設定のせいで潰れています。このことを考慮して、構成という面では高い点数はつけられませんでした。
 あとバグが多すぎです。こいうロープレはデバックが大変なのでしょうが、もう少しがんばってほしいです。強制終了はすくないですが、スキル関連がひどすぎます。せっかく専用技を手に入れたのに、効果が発動しないとか見掛け倒しもいいところです。こういうスキル系のバグはセーブデータが使用不可能になりそうで、そのような修正は1回で抑えたいと今がんばってるんでしょうかね。1.00.05から全然進みまんせんが(9月05日現在)。


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総評
オススメ度とか

 なるかなどうしようかな〜と考えてる人へ。SLGが得意、問題ない人はそれなりに楽しめるでしょう。初回プレイは40時間くらいかかるので、いい暇つぶしにはなると思います。しかし、アセリアを未プレイの場合は、先にアセリアをやる必要があります。せめてアセリアルートはクリアしておきましょう。基本的な戦闘スタイルの確認や、なるかなにおいての説明不足な点がある程度は解消されます。しかし、それと同時に矛盾点もわかってしまうので、結果的には微妙といわざるを得ませんが、全体を通して考えると前作プレイは必要かと思われます。
 アセリアの続編として考えると、物足りません。しかし、ルートによっては続編を示唆する場面がいくつかあるので、それに期待です。次回作(があるなら)においてメインになるのはエターナル同士の戦いですが、強さの配分や設定などいろいろと難しそうです。しかし、今までの主要キャラ総出演と、とても楽しい状況が考えられるので、そうなるといいな〜と思ってたりします。
 長々と読んでくださった方、ありがとうございます。 おしまい。